IT経営者が教える本当のアフィリエイト①もう嘘はやめるべき

偽物のアフィリエイトが多すぎる

 IT、とりわけWEBの業界に経営者として10年以上身を置いていると、様々な情報を耳にする。特にアフィリエイト関係については、twitterプロフィールに「起業」等のキーワードがあるせいか、twitterでは数多くの「アフィリエイトに興味ありませんか?」DMをいただいている。実際私自身もアフィリエイトをしていた時期があったため、「昨今のアフィリエイト事情はどんなものかな」とDMのリンクをクリックすることがある。驚くことに、ほとんどが詐欺同然の内容だ。こんなものばかり読んでいると、「アフィリエイトって結局儲からないんでしょ?」ということになりかねない。

 今回は、1人のIT起業家として、1人のアフィリエイト業界の未来を憂う者として、少し真剣にアフィリエイトというものを掘り下げたい。「そんなこと学んで何になるの?1日30分で月200万稼いでいるアフィリエイターのブログ読んだ方が良くない?」と思うそんなアナタは特にちょっと待って欲しい。そして少し以下の文章を読んで欲しい。

本当のアフィリエイトとは何か

まず簡単なアフィリエイトの説明

 アフィリエイト自体の詳細な説明は様々なサイトでなされているため、ここでは超簡単に説明する。要は広告主の商品だとか情報だとかを自分なりに紹介して報酬を貰う、「個人で行う宣伝・営業代行」みたいなもの。その性質上、購買してもらったりクリックしてもらったり、何か成果が出ないと基本的に報酬は発生しない。けっこうハードルが高い商売であることを忘れないで欲しい。例えばアフィリエイトの性質上、個人で仮に販売系で月200万稼いでるとすれば、報酬はだいたい5〜10%のため)売り上げは2000〜4000万くらいあることになる。本物なら間違いなく法人化する(法人化している偽物も多いが)。

なぜ儲かる儲かる言われるのか

 そもそも、アフィリエイトを始めるに当たって、「どんな広告主の商品を紹介するか」はとても重要である。しかし考えてもみて欲しい。「紹介できるほど詳しく知っている商品」なんてそんなにたくさんあるだろうか。

 例えば趣味が読書だとして、面白かった本を数冊友達に紹介するくらいならできるだろう。しかし、「不特定多数の人に継続的に複数の本を紹介して、それを見た人に本の購入に至らせる」なんて、よほど日常的に読書をしている人にしか無理だろう。「本のネット評論家」くらいにはならないといけないのだから。

 しかし、その点、アフィリエイターを増やす行為は非常に簡単だ。何故ならお金が欲しい人はこの国に大量にいて、その人たちへの説得材料は「私は月収200万達成しました」で済むからだ。画像素材(通帳にお金が入った画像とか)を数点購入するだけで済む。さらに、報酬も高い。本が1冊売れてだいたい40円〜100円くらいなのに対して、アフィリエイター紹介報酬は300〜600円くらいだ。そうなってくると必然、強みのないアフィリエイト初心者でやや倫理観に欠ける者は「月収200万稼いでます」と書いて他人にアフィリエイトを勧めるようになる。だから、アフィリエイト業界は「儲かってます!」って人だらけなのだ。

 しかし、そもそも、嘘つきアフィリエイターはダメなのだろうか。

何故嘘つきアフィリエイターがダメなのか 

 簡単に説明すると、詐欺で訴えられることがある。情報商材系は特に多いが、「mato.ma」のようなサイトで集団訴訟されているケースが多い。つまり、一時的に稼げても続かないケースが多いということだ。そんなことは当然だろう、とまだアフィリエイト業界に浸かっていない人は思うかもしれない。しかし、実は「嘘つきアフィリエイター」の多くもまた、騙された人たちなのだ。

 怪しい情報商材を買うと、上のような「嘘ついて頑張ろう!」的な手法が書かれている。それを見た人は最初はクソみたいな情報商材を買わされた被害者なのだが、そのお金をどうにか回収しようと被害者が被害者を作る無限ループに入る。地獄の世界だ。

それでもアフィリエイトはやる価値がある

 もちろん人それぞれだが、それでもアフィリエイトはやる価値があると考える。個人で月数百万稼ぐことは極めて難しいしあまり現実的ではないが(漫画のワンピースを描ければ儲かるとかそういうメガヒット系を除く)、ある程度稼いで組織化することはできる。そして何より、自由な稼ぎ方ができる。ただ、一方で旧来的な「アフィリエイト」にこだわるべきではない。今はYoutubeも含め多様な手法がある。様々な手法を学んで欲しい。

 本連載は自分なりの社会貢献活動として、アフィリエイト業界の健全育成に協力しつつ、ちょっとくらいAdsense広告とかで収入に繋がったら良いな、という趣旨である。なので、嘘や誇大表現は絶対にしないよう細心の注意を心がける(結果として大げさになっちゃったとかは許してください)。なお、本当に社会貢献的意味合いが強いため、本連載にかける時間は週最大5時間までと決めている。更新が遅くてもご理解いただければ幸いだ。

About the Author

澤田純平

1988年1月30日生まれ、東京理科大学中退。株式会社SYN(この会社)の代表取締役社長。東京青年会議所(東京JC)所属。新しい企画や未知の事業を体験することが趣味。とりあえずやってみる。